枕の上で夢に溺れて

極上の寝具で眠りたい

壊れた部屋と夢日記

 いつの間にか夏になっていた。

 

 先月末のとある夜に、自宅の電気が前触れもなく消えた。単純にブレーカーが落ちただけだったのだけど、そのあと分かったのは僕の部屋のエアコンが悪さをしていたとのことで、完全にエアコン故障中のため使用禁止扱いになってしまって、一切電源が入らない状態にされてしまった。

 それからというもの本格的な暑さのあおりを受けて、僕の部屋はすっかり品のない空間になってしまった。ただでさえ風通しが悪い部屋なので、窓を開けたところで何の効果もない。そんな最悪を具現化したような部屋に唯一存在していた空調設備が死んだことによって、僕の快然たる夏はあっけなく死んだ。

 

 贅沢で麗しい暮らしなんて望んでない。ただ人並みに慎ましく、程よく暮らしやすい環境で生活がしたいだけだ。主に壊れていないエアコンがある部屋だとか、風通しの良い部屋などがあればいい。部屋に申し訳程度に置かれた空気清浄機が、漂う空気だけは清潔に保ってくれている。

 壊れたはずのエアコンが問題なく動いていて、部屋で涼しい思いをしている夢をいよいよ見てしまった。

 

 夢といえば、先月から、夢日記を時々書くようになった。夢日記というのは、眠っているときに見ていた夢を書き起こす行為をいう。夢日記と同時に現実の日記始めて、書ける日にはなるべく書くようにしている。

 日記を書き始めたのはただ文字が書きたかったからで、それ以上でもそれ以下でもない。何でもかんでもキーボードやスマートフォンなどで文字を生成していて、ろくにペンを持たなくなってしまったことで、字も下手くそになっているように感じて、字の練習ついでに日記を始めた。

 

 夢日記を始めてからというものの、睡眠の質が急激に悪くなったから、近いうちにやめるつもりだ。元から目覚めが悪い人間であることもあって、人生がさらにしんどくなってしまった。毎日ずっと消えてしまいたい。ただでさえ冷房設備が死んだ部屋で暮らしているので、心も体も簡単にへこたれる。

 

 書き留めるほどでもないことしか起こらない起伏のない毎日なので、現実の日記には、雨が降った、卵を焼いた、水を撒いた、自転車に乗った…程度の情報しか書かれていない。夢日記の方が様々なことが起こっていてユニークだ。現実では、目の前でゴリラが突然暴れ出したりはない。少なくとも僕が生活している身近では。

 

 そんなこともあって、Twitterでも呟くことが大してない。どうしようもない嘘とかとりとめのない冗談とか、そういう適当なことばかり呟いて、どうにか上手にTwitterを使っていければいい。