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枕の上で夢に溺れて

極上の寝具で眠りたい

連休の残り香だけが漂う部屋にて

 長い連休が終わった。

 余裕な顔をして9連休なんか取得して、悠々と長い休みを謳歌していた社会人の衆は、まだこの世のどこかでどうにかやっているだろうか。プラットホームに滑り込んでくる列車に、うっかり飛び込んだりしていないだろうか。ぼくは心配だ。

 

 この連休中は、あまりのまぶしさで顔をしかめてしまうほど、よく晴れた日ばかり続いていた。時々ひどい夕立がやってきたりもしたけれど、憎たらしいほど良い天気だった。出掛ける予定なんてまったくないくせに、こりゃあずいぶんと絶好の行楽日和だな、なんて思いながら無意味にヘラヘラとしていた。

 

 それはもう、ひたすらに退屈な日々だった。あまりにも空っぽだから、まるでぼくの人生そのものみたいに感じた。ぽっかりと空いてしまっている穴を、アルコールでどうにか埋めるような、だらしない休日を過ごした。

 

 忙しいなんて状況もあんまり好きではないけれど、あまりにも退屈でぼんやりとしている時間が多いと、つい考え事ばかりしてしまって、ひどく憂鬱な気分になってしまうから、なるべく常にやることがある状態でいたい。

 そうあれば、ぼくはダメだとか、いっそなにもかも終わりにしたいだなんて、そんなしようもないことを考えてしまうような空白や隙間がないのだ。退屈だから、暇だから、不意に消えてしまいたくなって、やり場のない感情に体じゅうをベコベコに潰されて、あまりの痛さに我慢できなくなって、わんわん泣いてしまうのだ。

 

 人間は欠陥だらけの生き物だから、簡単にくしゃくしゃになってしまう。そうして、結局もうどうにもならないほど壊れてしまった人間だって大勢いるのだ。どうにかなるうちに、カスタマーサポートに連絡しなければいけない。そういうめんどうくさい生き物なのだ。

 

 ぼくの父は、連休どうこう関わらず、なにもない休日でも朝から晩までせわしなく動き回っていて、ろくにぼんやりとしている時間がない。それもきっと、無暗にぼんやりしていると空っぽに虚しくなって、どうしようもなくなってしまうからなのかもしれない。

 実際は別にそんなんじゃねえんだろうけどさ。

 

 「じきに夏になるな」なんて言っておきながら、こんなにもすぐに夏の陽気になってしまうとはまったく思っていなかったから、体がまったく追いつかなくて、体の至るところが悲鳴をあげている。えらく怠い。君はどうしてそんなに急いでやってきたんだい。